ウェブデザイン技能検定は、留意点が多く特殊な試験対策が必要。特に「実技試験」は心して。

Webデザイン資格勉強イメージ IT/web

ウェブデザイン技能検定試験は、HTML/CSS/Javascriptといったフロントエンド以外にも、デザインやサーバサイドスクリプト、データベースなども含む、Webサイト制作全体に関わる国家検定です。

よって、分業制が進んでいるWeb制作会社で、単一の職種だけの経験を持つ方などは、2級や1級を受験する際には、実務以外の知識と経験が必要になります。
特に、フロントエンドエンジニア以外の方は、2級時点で苦戦する部分が出てきますし、Webプログラマーでなければ、1級は苦戦するでしょう。

試験の方式の説明を通じて、その苦戦する理由について解説します。

試験の方式と実技試験の概要

試験は、「学科」と「実技」で構成されています。学科試験は、四肢択一のマークシート方式で、実技試験は、実際にコーディングを行う内容になります。

3級の実技試験概要

コーディングミスの修正や、アンカーの設定など、すでにあるものを変更するという出題がされます。誰かが作った、HTML/CSSを読み、修正改変できる程度で、何なくクリアできるレベルです。

コーディングを専門としていなくとも、日々の業務で多少はHTML/CSSを扱う必要がある、ディレクターやサーバーサイドのプログラマーであれば、十分に対応可能な問題と言えるでしょう。

2級の実技試験概要

3級の内容に加えて、ナビゲーションボタンの作成、アニメーションバナーの作成、画像加工、レイアウトデザイン、Webページの作成、フォームの作成、Javascriptの実装などが出題されます。

一応、ソラでHTML/CSSを書ける技量が求められますので、他人が書いたソースコードを読める程度ではおそらく合格レベルには至りません。

※ちなみに、問題の指示通り出来上がったページの見た目はかなりダサい物になりますが、それで正解です。Web制作に慣れすぎていると多分不安に思うと思いますが、安心してください。

1級の実技試験概要

1級からはじめてサーバサイドの話が登場してきます。よって、使用機材には、wwwサーバアプリ、DBアプリなどが登場します。

2級までの内容に加えて、サイト全体の設計(サイトマップ・遷移図)、グラフィック加工、数ページ構成のサイト制作、DB設計・構築、DBと連動した動的ページ制作などが出題されます。

フロントエンドエンジニア一辺倒の方は、この実技試験の合格は難しいです。

使用機材

試験に使用される機材は、Windowsマシンです。よって、Macユーザーはこの時点でハンデを負うことになります。

また、重要なことですが、使用する機材は当然フリーズしてしまうこともあります。そうなった場合。試験はどうなるかというと・・・。

  • フリーズや不具合を生じたら、試験官に申し出る。(これが最重要。
  • 試験再開(復旧)までに要した時間は、残り時間に加算される。
  • 不具合により消失したデータは一切補償、復旧、配慮されない。

『不具合により消失したデータは一切補償、復旧、配慮されない。』これ、重要ですので2回言いました。実際の仕事中でもありますよね。必死に作ったコードを保存したら、フリーズで泣きたくなること。試験はそこまで再現してくれます(違う)。

ちなみに、本件については試験要項に以下の様に明記されています。

受検用PCのトラブル等により作成中のデータが失われる場合もあるため、各自データ保存やバックアップについて留意して作業を行ってください。作成中のデータに関しては、受検用PCのハードディスク等が利用できるので、データを保存可能な場所に適宜バックアップすることを推奨します。
データが失われたり破損した場合、その復旧のために時間延長されることはありませんので、予めご注意ください。

というわけで、試験中もこまめにバックアップを取りながら回答作業を進めましょう

また、3級および2級の実技試験で用いるテキストエディターは以下の様になっています。

  • Windowsアクセサリーの”メモ帳”(一応”ワードパッド”もあったかな。)
  • サクラエディタ
  • TeraPad
  • Sublime Text

上記いずれかでコーディングをしていない方は、試験対策として上記いずれかのアプリでコーディングを不自由なくできるようにしておいてください。
尚、テキストエディターについて、忘れてはいけないのは『全てのインストール済みアプリは、初期設定状態である』ということです。スキンとか、拡張機能などは何もあたっていませんので、普段使っているSublime Textでも、全然違う代物である可能性があるということです。
ちなみに、2級以上では、Webページ全体を制作する目的で、Adobe Dreamweaverも使用できるようになっています。

というわけで、メモ帳が一番ですね。

尚、1級では、使えるテキストエディターが増えています。秀丸、Eclipse、Visual Studio Codeなどです。

そして、もう一つ忘れてはいけないのは、画像加工用のアプリです。Adobe Photoshopを使用することになります。XDやイラレはありません。

ここに、あなたの運が試されることがあります。それは何かというと、『古いバージョンのPhotoshopに当たってしまうと、UI違いすぎて手間取ってしまう。かつ、試験会場は選べない。』ということです。

令和5年度第1回ウェブデザイン技能検定2級の実技試験概要に以下の様な記載があります。

Adobe Photoshop、Dreamweaver は原則 CS6 から CC としているが、試験会場により、CS3、CS4、CS5、CS5.5 の場合がある。

ちょっと待ってください・・・CCの最初のバージョン発売が、2013年6月ですから、CS6の時点で、10年前のアプリ使わないといけないと言うことですよ。もし、CS3なら、2007年発売ですから・・・。
というよりむしろ、CS5.5だと、Windows10とか8とかでないOSで試験受けることになりませんかね?

そして、試験要項には、こうも書いてあります。

バージョンの違いによる解答や採点への影響はないものとします。

あ、はい。

尚、1級ですが、他にもApache、Maria DB(MySQLは不可)、PHP8などが試験で用いるアプリとして含まれていて、phpMyAdminもOKなのが、地味にぬるい気がします。
そして、なんと、1級は試験用PC(ノートPCのみ)を持ち込み可です!ただし、監督者の事前検査を要するのと、試験に関係ないアプリやデータは全部排除する必要があるため、使い慣れたPC、使い慣れたキーボードで、とは気軽に行けないでしょうし、メリットはない気がします。

 

というわけで、ウェブデザイン技能検定試験の実技試験について解説してみましたが、中々、なんというか、中々ですね。尚、内容は記事執筆時点での情報となりますので、最新の正しい情報については、ウェブデザイン技能検定の公式ホームページなどをご参照ください。

また、ウェブデザイン技能検定試験の概要やできることについては、以下もご参照ください。

ウェブデザイン技能検定合格への努力が、無事結果に結びつくのを心から願っております。皆さん、頑張ってください!

タイトルとURLをコピーしました