プログラミングに資格は必要なのでしょうか?

プログラミングイメージ IT/web

最初に申し上げておくと、プログラマーを名乗るのに資格は必要ありません
また、業界や分野によって、就職・転職にプログラミング資格が優位に働くかどうかも、かなりばらつきがあります。

IT業界は人材不足であるため、資格がなくとも、実務経験や、ポートフォリオ(作例)の方が採用時の評価として強いこともままあります。

では、プログラミング資格は不要なのか?というと、そうとは言い切れません。
就職・転職、手当、昇給・昇進などで、より実践的に評価されやすい資格について紹介したいと思います。

基本情報技術者試験

基本情報技術者試験は、コンピューター科学、ネットワーク、データベースといった、情報処理技術に関する基礎知識を問われる国家資格です。
プログラミングは、単にコードを書けるだけでは意味が無く、ベースとなるインフラ、連係するソフトウェアの特性を正しく理解し、効率的で隙の無いコードを書くことこそが重要です。
そのため、基本情報技術者試験への合格は、一定以上の品質を期待できるコードを書ける、チームでの開発において基本的な技術的コミュニケーションに支障が無いことを示すことになりますので、企業にとっては評価しやすい資格と言えます。
もちろん、この試験の合格が、人事考課上必須であったり、合格手当を設定している企業も多数あります。

応用情報技術者試験

「高度IT人材としての方向性を確立した者」を対象とした、基本情報技術者試験の上位資格です。開発者として一人前であるレベルの証左とも言える試験です。
IT戦略立案、システム設計、インテグレーションといったプログラミングの上位技能を測る側面があり、プログラマーが現場リーダーなどにステップアップする上で、人事考課のハードルの一つとしている企業もあります。

C言語プログラミング能力認定試験

こちらは、C言語そのものの技能試験ですが、プログラマーであるならば、是非どこかで目指して欲しい資格の一つです。
というのも、C言語は、最も汎用的なプログラミング言語の地位にあり、toibeでも上位に位置し、多くの派生言語やC言語をベースとしたプログラム言語を有しているためです。
C言語を扱えると言うことは、プログラマーとして裾野が広いことを示します。
ただし、C言語そのものは初心者向けのプログラミング言語ではありませんので、何かしらのプログラミング言語を習得し、業務として使いこなせるようになった上で、取り組むことをお勧めします。

Python3エンジニア認定試験

現在、プログラミング言語として最先端かつ普及している言語の筆頭は、Pythonでしょう。習得しておけば、色々なところで役に立ちます。
Python自体は比較的初学者向けのプログラミング言語でもあり、教材や講座も多くあります。
就職の際には、選択肢を広げる意味で有用なプログラミング言語資格ですので、取得を検討されることをお勧めします。
尚、Python3エンジニア認定試験は、「基礎試験」をベースに、「データ分析試験」「実践試験」の他、2024年から「データ分析実践試験(仮称)」と、職種によって試験が分化していますので、公式サイトを参考にしながら、検討しましょう。
(公式サイト https://www.pythonic-exam.com/)

組込み技術者試験(ETEC)

一般社団法人組込みシステム技術協会(JASA)が主催する、その名の通り、組込みソフトウェア技術者向けの技能試験です。クラス2(初級)とクラス1(上級)に分かれています。
尚、合格/不合格という概念はなく、TOEICのようにスコアが能力の高低として評価されます。クラス1は、クラス2で500点以上を取っていないと受験できません。
組込みソフトウェアとは、家電製品や産業機器などの機械を制御する仕組み(プログラム)のことで、電子機器製造分野への就職においては、クラス2のスコア、転職においては、クラス1のスコアが、一定の評価を得る上で重要となります。

オラクルマスター

Oracle Databaseのスキル判定資格です。ブロンズ、シルバー、ゴールドに分けられています。Oracle Databaseのスキルを測るための試験ですが、リレーショナルデーターベース全般に対する知識が無いと、そもそも扱えない代物であり、また、日本国内のリレーショナルデータベース管理ソフトウェア市場では約5割のシェアを持っていますから、活躍の場はご想像よりも広いかも知れません。
プログラミングとデータベースは、今や切っても切れない関係にありますので、データベース関連の知識を証明する資格として、価値が高いと言えます。

Linux技術者認定試験

特定非営利活動法人エルピーアイジャパンが提供するLinux技術者のための資格です。試験はレベル1~レベル3に分かれています。
サーバ-OSとしてメジャーの一角を占めているLinuxであり、このOSをベースにプログラムが稼働する状況は非常に一般的です。
プログラミングとサーバーの設計特性が、最終的にパフォーマンスを大きく左右しますし、当然ながら、セキュリティを鑑みた際には一体として連係すべき物ですので、Linux OSに関して知識と技能を有していることは、プログラマーとしての見識の深さを示すものになります。

 

他にも数多のプログラマーに関係する資格がありますが、比較的第三者の評価としてわかりやすくメリットを得やすいものは上記の様な資格になります。
もちろん、上記に無いからといって、役に立たない資格などということは全くありませんので、誤解なさいませぬよう。

また、意外と、プログラミングに関係の無いように思われる資格の方が、評価されることもあります。
理由としては、プログラミングは結局、何かの業務や作業を助けるツールを作る手段であるため、出来上がったツールを使用する職種や業界の知識として、使う側に関する資格保有が評価されることが大いにあるためです。
例えば、会計ソフトを作るのであれば、簿記などです。

プログラミングスキルを証明する何かしらの資格をお持ちでしたら、その資格を補強する上で、関連する業界や職種の資格にも目を向けてみるのも悪くありませんね。

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