プログラミング言語を習得しようと思う方の大きなモチベーションの一つは、お金を稼ぐことですよね。
お金を稼ぐためには、だれかが作って欲しいものを請けることになりますが、習得しているプログラミング言語だけで納品物になるケースは決して多くはありません。納品物を成立させるために、いくつかの周辺知識が必要になってきます。
そこで、人気プログラミング言語の一つである「Python」を身につけて、副業や独立開業などを考える方に、身につけておいて損はない、周辺知識についてご紹介します。
そもそも、Pythonで副業や独立開業できるような仕事があるの？
そこ、重要ですよね。ご安心ください。お仕事はいっぱいあります。Pythonは得意分野が明確なプログラミング言語ですので、まさにぴったりな仕事があります。
それは、「データ分析」です。
『データ分析ってそもそも何すればいいの？単に、情報を集計するプログラムを書くだけでは分析にならないし、Pythonじゃなくてもできるのでは？』
と思われましたか？いいえ。そうではありません。
データ分析は、その目的に沿って「情報を集める」「情報を分類する」「異常値を除く」「可視化する」というプロセスで行われますが、Pythonには、この4つのステップ全てに、ライブラリ（誰かが作ってくれたプログラム）が存在していて、他のプログラミング言語で作るより、遙かに少ない労力で、データ分析のスペシャリストでなくとも精度の高い結果を出すプログラムを構築できます。
インターネット上のフリーランス向けの仕事サイトなどを見てみると、スクレイピングプログラム開発募集案件というものを山ほど見かけます。
スクレイピングとは、Webサイトを回って、ある情報を抜き取ってくる機能のことで、これらはほとんど、Python開発初心者向けの案件と言えるものです。
ちなみに、データ分析は、今やあらゆる分野で必須の業務です。あらゆる改善活動においてはデータの集積と活用が求められますから。これ一本で食べていくことも十分できるでしょう。
他にも、Python開発初心者でも請けやすい案件は、単純作業の自動化ツール開発です。
送られてくるデータを分類してファイル化し、ディレクトリに格納する。とか、定時にデータを取ってきて、Excelに書き込むといったようなモノです。
これらも大半はライブラリを活用することで簡単に開発できます。
もちろん、Pythonは、こうした小規模な開発案件がメインではなく、様々なところで活躍していますので、詳しくは、以下の記事もご参照ください。
では、Pythonで副業や独立開業をするための周辺知識とは何？
ざっと挙げると、以下の様な周辺知識が有用です。もし、『まだ、その辺は学習したことがないな』というものがあれば、先に身につけてから行動することをお勧めします。
IDE（統合開発環境）・フレームワークに対する知識と習熟
この辺は、当然ですよね。といいたいところですが、独学でPythonを学んできた方は、案外このあたりの知識が薄いことがありますね。
テキストエディターだけで開発を進めていくことも否定はしませんが、受託案件の場合には何かしら開発のベースになる環境を指定されることが多いですし、開発の根本的な効率性を考えた場合は、こうした知識は必要になります。開発環境やフレームワークの導入、設定、操作方法などを学んでおきましょう。
PyCharm
Pythonの代表的なIDEで、Pythonコーディングのためだけに特化して作られていますので、非常に扱いやすいです。
Anaconda
PyCharmと比べるとマイナーでやや古いのですが、データ研究と科学計算の分野でいえば、Pythonの代表的なフルスタックフレームワーク「Django」と組み合わせで使われてきたケースが多いので、知っておいて損はありません。
ということで、「Anaconda+Django」セットは研究学術分野での採用が早かったので、学術機関関連の案件ではこの組み合わせが多いです。
Django
Pythonの代表的なフルスタックフレームワークで、小規模から大規模まで様々な開発のベース環境として広く採用されています。
流石にPythonは人気のプログラミング言語ですから、他にも色々な環境はありますので、上記だけ覚えておけばいいわけではありませんが、少なくともこれくらいは難なく扱えるようになっておく必要があります。
案件が多い分野に関連する知識
冒頭延べたとおり、Pythonが強い開発分野というのがいくつかありますので、それらを構築するために必要な技術と、そもそも開発されたもので何をしたいかが理解できる必要があります。
そのため、以下の様な知識は知っておくと、顧客に対してより価値ある提案、コストを適正に算定した提案ができるようになるでしょう。
- 機械学習の基礎
- データ分析の基礎
- スクレイピング技術
ライブラリの知識
Python開発における最大のポイントの一つは、数多あるライブラリの中から、適切なものを選び出す目です。
有名なライブラリの特性を把握し、何をどう組み合わせて利用すれば、納品物を簡単かつ確実に構築できるかという、引き出しの多さは重要です。
Web関連の技術
Pythonは、Webアプリのバックエンドとして動作することが多く、そのため、入出力画面であるHTMLや、サーバで動作するPHPなども併せて開発を依頼されることが少なくありません。Web関連の技術について、以下の様なことを知っておくと、請けられる仕事の幅が広がるでしょう。
代表的には以下の様なものが挙がります。
- サーバ構築に関する知識
- SQL（MySQLやMariaDBなどのデータベースとの連係）開発
- PHP
- HTML/CSS/Javascript
プログラミング技術を活かす上で、『自分を売り込める切り口が明確であるかどうか』は重要なポイントです。特に、Pythonで一旗揚げようと思う方は少なくありませんので、開発効率の最大化を背景にした価格競争力、知識や経験の広さを背景にした守備範囲の広さなど、分かりやすい武器が定まっているかを考えることをお勧めします。
