FP技能検定の試験勉強に適した教材の選び方

学習素材の山イメージ 金融

FP技能検定は、幅広い試験範囲を有し、かつ、実技試験として実践的、専門的な問題に立ち向かう必要があり、試験対策の学習教材は山ほどあります。
その中から、自分に合った、効率的で続けられる教材をどうやって見つければ良いのかということについて、いくつかの視点や方法論を解説します。

書籍や講座をどうやって選べばいいのか?

様々な情報を参考にし、教材を手に取るところから学習が始まりますが、その参考にする情報そのものが『あなたにとっての確かなものか』ということを、慎重に捉える必要があります。

体験談(個人の声)を参考にするのは、あまりお勧めではありません。

資格勉強によくある体験談ですが、成功あるいは失敗体験談からお勧めされる教材や講座は、あまり意味はありません

別に間違っている、それを選んではいけないという意味ではなく、参考にする情報としては偏りが大きすぎて、あなたに適しているとは言い切れないと言うことです。
体験談を披露されている方は、知識レベル、頭の良さ、理解しやすいと感じるやり方など、様々な点において、あなたとは異なるからです。

個人の体験は、具体的で共感しやすいのは確かですが、単なる客観的な意見の一つである読み物として捉え、心理的に距離を取りましょう。

ランキングは参考になりますが、上位の教材が優れているとは言えません。

売れ筋ランキングなども冷静に見た方がいいでしょう。

一度でも資格勉強をした方は思い当たるところがあるかもしれませんが、ランキングの上位に載る「定番」と言われる教材は、全体を網羅していてオーソドックスで平均的なものであり、必ずしも、それ一冊や、それ1つの対策だけで良かったと思えるわけではないからです。
後から考えたら、もっと分かりやすい書籍や講座があったというケースは往々にしてあります。

合格率などの統計データが一番参考になる指標です。

合格率などの統計データによって教材や講座を選ぶことは賢明と言えるでしょう。

個人的な偏り(バイアス)が限りなく薄くなるため、単純に合格率の高低を比較できる(合格率が高い方が優位である)と言えるからです。

いずれにしても教材の中身を見ることが、何よりも重要です。

書籍や講座を選ぶのに最も重要なことは、実際に教材の中身を見てみることです。

以下の様な視点で、内容の善し悪しを判断しましょう。

  • 読んでいて苦痛ではないか。
  • 説明が分かりやすいか。
  • 読み進めるために、別途辞書が必要でないか。
  • 問題集とテキストがセットになっているか。(書籍の場合、もちろん別冊でもいいです。)かつ、問題集とテキストが正答例などで、相互参照が可能な索引(『この問題はテキスト10ページを参照』などと書いている)が付いているか。

以上を最低限クリアしている教材を選ぶと良いでしょう。

常に最新版の教材を選ぶ・・・だけでは十分ではない

最新版の教材で学ぶことは絶対条件です。理由は単純で、最新の法改正に対応したものでないと、全く意味が無いどころか、むしろマイナスであるためです。そうした意味で、過去問学習をする際にも注意が必要です。

さらに、あなたが最新版の教材を手に取ったとしても、それで満足してはいけません

なぜならば、書籍や教材は、当然ながら世に出るまでの間に、ある程度時間が経っているわけで、発売(発行)後、法改正に対する未対応部分の改訂、そもそも記載内容に誤りがある部分の訂正などがあるからです。
出版元や発行元のサイトなどを定期的に確認し、改訂・訂正が出ていないかに注意を払いましょう。

学習教材を一つに絞るのは効率的ではない。

資格勉強は、極論すれば、公式サイトの試験範囲を把握し、インターネット上にある過去問と法律文書のみを使用する。あるいは、図書館で書籍を借りて勉強すれば、ゼロ円でできます。
ですが、このゼロ円学習法が万人向けかと言えば、当然違います。

理由はシンプルで、『無機質で何の解説もない、過去問と法律文書で根気強く勉強を続けられるのか?』『社会人になって、図書館に毎日半年通える時間があるのか?』という現実的な問題がありますし、

そこで、次にできるだけ安くということを考えるかもしれませんが、ケチって不合格になり、さらに次の試験まで勉強する事になってしまうという、最悪の時間的損失リスクは無視できません。
つまり、都合よく考えれば、合格できる範囲内でできるだけ安くという考え方に至るかと思いますが、この教材で勉強すれば確実に合格できるなんて、誰も断言できません。

ただ、一つ確実に言えることは、五感の内、より多くを刺激される方が、記憶として定着しやすいということです、これは皆さん、何となく納得できるかと思います。

この考えに基づくと、1種類の学習教材だけでは、刺激される五感が限られる、つまり、学習効率が低いと言うことができます。
具体的には、テキストを読むことは、「視覚」を刺激されますが、動画などの映像を見る際には「視覚と聴覚」が刺激されます。この二つで言えば、テキストよりも動画の方が暗記効率は高いと一般的には言えるでしょう。
もちろん、写本する(書く)という「視覚と触覚」を刺激することも必要ですから、総合的に言えば、「テキストを読み」「動画を見て」「書き写して」学ぶということが揃った学習法を採ることが、効率的と言えるのではないでしょうか。

総論として、五感をより多く刺激できるよう複数の手法で構築される総合的な学習方法になるよう、学習教材を選択すべきと言えます。

教材を選ぶ前に、過去問チャレンジも有効

自分の実力を把握することで、どんな学習教材が必要なのかを知るというアプローチも有効な手段の一つです。

あなたが初学者だったとしても、まず、実際の問題を読んでみて、そもそも何を問われているのか分からないと感じるのか、ある程度問われていることがわかるのかを知ることで、どのレベルまで咀嚼して解説してくれている教材にすべきなのかを認識できます。
加えて、過去問に触れてみたことで、実際の問題で印象に残ったものが記憶されるでしょうから、そこに対してわかりやすい解説をしている教材を探すことができるようになります。

一方、あなたが初学者でなければ、直接的に弱点が浮き彫りになりますので、そこに厚みのある教材を選ぶ手がかりになります。

 

いかがでしょうか。ファイナンシャル・プランニング技能士を志す皆さんの一助になれば幸いです。
教材の選び方については、以下の記事で、3級FP技能検定試験の定石勉強法を挙げていますので、こちらもご参照ください。

 

合格目指して、頑張ってください!

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