日商簿記2級:製造業の経理職では必携。国内のあらゆる企業の経理部門で戦力になれることの証明=日商簿記2級。

簿記 金融

簿記には、日本商工会議所が主催する日商簿記と、全国商業高等学校協会が主催する全商簿記があります。一般的に、全商簿記に比べて、日商簿記の方が1級相当難しいと言われており(日商簿記2級=全商簿記1級)、また、日商簿記は企業との繋がりが強い商工会議所が主催する資格試験ということもあり、日商簿記の方が、就職や転職に役立つという特徴があります。

「日商簿記2級」に関する概要

資格・スキルとしての分類 公的資格
活用分野 各企業の経理部門など
用途 副業
就職・転職
実用
標準学習時間 150~450時間
(経理実務経験者~初学者)
需要度 4.0
習得しやすさ 3.0
習得・活用のための費用の低さ 3.0
在宅との相性 2.0
資格・スキル単体での収益化 3.0
他の資格・スキルへの展開 4.0

簿記2級は、3級に比べてどの程度難しいですか?

簿記2級相当のスキルを有していると、財務諸表を読み解いて、企業の経営状態を分析することが可能なレベルにあると言っていいでしょう。
そのため、貸借対照表などを書式に沿って正しく仕訳できることが主である3級と比べると、当然ながら覚えることは段違いに多く、また、実務経験者でないとイメージしにくい、流れを見る力も必要になるため、学習内容としては、3級と2級は別物だと考えてもらった方が良いかも知れません。

難度を聞くと、簿記2級に合格できる気がしないのですが・・・

簿記3級を説明するように、「簡単ですよ」とは軽々しく言えないのは事実です。
日商簿記は、3級を飛ばして、2級からでも受験できますが、それをやるのは、経理の現場で実務経験をある程度積んでいる方だと考えた方がいいと思います。

とはいえ、大学で専攻した上で受験するのが当たり前の高度資格ではなく、また、現場のたたき上げでなければ受からないものかといえば、そんなことはありません。

簿記というのは、決まり事の塊ですので、そのルールを全て把握し、読み書き理解ができるようになるというのは、大変だと言うことです。

公式サイトには「日商簿記2級は、大学受験でも役立つ」ようなことも書かれているとおり、実際に、高校時代に商業科に通っていた方であれば、日商簿記2級レベルくらいまでは在学中に学びます

高校3年掛けて学ぶ(もちろん、簿記の授業はその一教科だとして)ことをイメージしていただければ良いでしょう。大学受験の5分の1未満(高校では5教科以外の授業もありますしね。)の労力というイメージでしょうか。

日商簿記2級でできること

はっきり言って、国内のあらゆる企業の経理部門で業務することが可能です。海外が絡んできたりしても、実務上は調べたり顧問会計士などに確認しながら、基本的には自力で経理業務を遂行できるだけの地力も備わっているでしょう。
税理士事務所などの専業企業への入社も可能です。

もちろん、上には上がいくらでもいますが、簿記2級資格保有者は、簿記のスペシャリストと言って問題ありません。

また、3級にはない、「工業簿記」が2級にはありますので、製造業における経理部門への就職には、2級が必携になります、

経理実務経験者でないならば、初手2級独学は、悪手。

まず、2級の試験内容は、3級合格者を前提として作成されていますので、簿記初学者は2級から受けられると言っても、2級に向けての学習中に、一旦3級に合格しておくことをお勧めします。
中間テストのようなイメージです。
3級と2級は学習範囲が似て非なるものですので、一気に2級は莫大な学習量を必要とします

初学者(実務未経験)では、少なくとも350時間以上の学習時間が必要と言われており、学習を追えるまでに、半年以上はかかると思われます。
本記事の上の方でも述べましたが、高校3年間で学ぶ内容を頭にたたき込むことになるわけで、それが独学で可能なのかは、イメージしてみてください。

高校および予備校通わずに、独学で高卒認定取るということに近しいと言っていいでしょう。

実務経験者であれば、簿記学習に関するテキストは、読んですらすらと理解できる内容だと思いますが、未経験初学者は、おそらく数行読んだら止まって、知らない専門用語を調べて・・・という繰り返しが発生するでしょう。
これを独学でやり抜くのは、相当な胆力が求められます。

簿記2級の検定合格率は、平均で約22%(ただし、年によってばらつきがかなりあります。)程度と決して高くありません。途中で挫折する方も多い検定ですので、講座に通う、テキストで独学、いずれの方法を採ったとしても、そのカリキュラムが、自分が続けられる学習法なのかという事を、しっかりと考えて取り組みを始める必要があります。

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