ヨガインストラクターの今と将来性は?
コロナ禍により、ヨガスタジオは閉鎖や縮小の憂き目に遭いましたが、ヨガ自体のニーズが減少しているわけではないようで、オンラインでのヨガ教室は急激に増えています。
オンラインヨガの最大のブレイクスルーは『1人のヨガインストラクターが、スタジオを持たずに開業できる』ことです。
もちろん、徐々に縮小していたヨガスタジオも徐々に規模を回復しており、2023年2月には、トレンドの発信地である銀座の西銀座デパートに、約330平方メートル規模のヨガ・フィットネスの新ゾーンがオープンするなど、追い風も吹き始めています。
こうした背景の元、重要視されるのは『ヨガインストラクター個人の力量と信頼性』です。コロナ流行前は、日本国内でのフィットネスブームとホットヨガのブームに乗っかり、ヨガ人口も右肩上がりに増えていました。そのため、ホットヨガスタジオの新規参入が続き、インストラクターの求人はひっきりなしに行われ、無資格インストラクターが量産されてきました。
もちろん、ヨガインストラクターを名乗るのに資格は不要ですし、その方々を否定する意向は一切ございません。
ヨガ人口は2017年時点の「ヨガジャーナル日本版調査」が最新とかなり古いデータしかありませんが、その時点で770万人であり、その先は1600万人までの拡大を予測しておりましたが、すでに1000万人近くのヨガ人口が居ると推定されており、いわば、日本国内のヨガ市場は、ブームではなく、成熟期にさしかかっていると言えるのではないでしょうか。
個人の趣味や娯楽が、市場として成熟を迎える際には、必ずブランド力が集客力を大きく左右します。
周りにも自分と同じ趣味に没頭している方が居た場合、人は必ず、『あの先生に学んでいる、私』と、権威によって比較優位を得ようとします。これは、マウンティングとさげすまれるかも知れませんが、人間の本能であるので避けられない事実です。
あなたが『あの先生』と言われる人でなければならないわけで、今後、ヨガインストラクターとして活躍を納めていくためには、しっかりとした資格の裏付けが近道だと言えます。
ヨガインストラクター資格の最良は?
ヨガインストラクターには、様々な民間資格があります(ヨガに関する国家資格や公的資格はありません)が、その中でお勧めは、世界的に通用する「Yoga Alliance認定」です。
「Yoga Alliance認定」におけるインストラクター資格は「RYT(Registered Yoga Teacher)」というもので、元々は全米ヨガアライアンス協会の独自認定資格でしたが、現在は、世界100カ国以上で通用する権威ある資格となっています。
RYTには「RYT200」と「RYT500」の大きく分けて2種類があります。
「RYT200」「RYT500」習得に関する概要
資格・スキルとしての分類 | 民間資格 |
活用分野 | 健康 |
用途 | 副業 独立開業 就職・転職 実用 |
標準学習時間 | 200時間(RYT200)/500時間(RYT500) |
需要度 | |
習得しやすさ | |
習得・活用のための費用の低さ | |
在宅との相性 | |
資格・スキル単体での収益化 | |
他の資格・スキルへの展開 |
それぞれ定められたヨガカリキュラムを200時間受講、さらにプラス300時間の計500時間を修了したのちに取得できます。
RYT200では、ヨガインストラクターになるために必要な、アーサナ(ポーズ)、解剖学、指導法、ヨガ哲学、呼吸法などを広く学び、RYT500では、さらに難易度の高いアーサナを学んだり、ティーチングスキルをさらに細かく学ぶことができます。特に、ヨガインストラクターを育成する立場になる場合は、RYT500が必携となるでしょう。
また、「E-RYT200」と「E-RYT500」という資格もあります。頭文字の「E」は「Experienced」、つまり「経験のある」という意味です。
資格取得後は、ヨガインストラクターを育成する指導者としての活躍もできるようになります。
他にもマタニティヨガの指導者資格である「RPYT」やキッズヨガの指導者資格である「RCYT」などがあります。
日本では、RYT500保有者はごく少数です。理由は簡単で、RYT200取得時点で生徒のレッスンに忙しくなり、そこで止まってしまうからです。これも、ヨガ人口と講師の急激な増加が起こした弊害と言えるでしょう。
言い換えれば、RYT500は、プレミアム感がある資格であると言え、ブランド力としては申し分ない資格でしょう。取得するなら、今のうちです。
資格取得に関する詳細については、以下の記事もご参照ください。
国際的な活躍も
冒頭の通り、オンラインヨガ教室の隆盛によって、教室が不要になりました。このことで、国境を越えた講師と生徒の関係も広がってきています。
もちろん、日本のヨガマニアが北米の有名なヨガ講師のレッスンを受けようと、SNSから探し当てて申込をされる方もいらっしゃいますが、世界的に見ると「日本人は勤勉で丁寧で、健康意識が高い」という印象があるため、日本人講師に学びたいというニーズも多くあります。
最低限の英語力(といっても、ヨガの用語がわかる程度で、後は翻訳ツールでも十分)があれば、オンラインで世界に生徒を持つことも簡単になってきていますので、国際的に通じるRYT資格の権威と実用性はより強くなってきていると言えるでしょう。