私は、実務経験を強みにしているタイプのIT系エンジニアなのですが、自身が成長するに当たって痛感した(そして、今でも痛感している)、学習の必要性についてご説明しようと思います。
今回は、HTML5プロフェッショナル認定試験を例に取り上げます。
HTML5プロフェッショナル認定試験公式サイトに載っているレベル1の例題(実際の認定試験の出題内容とは異なります)を挙げて、具体的に解説します。
正解は「C」です。
そもそも、独学だと<html></html>、<head></head>や、<body></body>は、お決まりの呪文だとしか認識しないですし、これらが無いページなんて見たことない方が多いのではないでしょうか。ですが、これらは開始タグも終了タグも省略ができます。
ですので、開始タグ自体を省略できるという概念自体が思いつかないのではないでしょうか。
<head>~</head>は、管理側の簡素なWebツールなどを作った経験があると、ギリギリ思いつくかも知れません。
正解は「D」です。
独学の最大の問題は『業界用語や専門用語』といった、正式なドキュメントでしか見ない言葉です。特に、横文字は経験や独学のみでやっている方において、鬼門です。『ステートフル』の意味、ご存じですか?『ヘッダ』は様々な箇所で登場する言葉ですが、この設問における『ヘッダ』は何か理解できていますか?
また、物理的最大値は、実務上ぶつかるケースが少ないので、クッキーのデータサイズ上限などは、そこそこ特殊な案件にでも関わらない限り、知る機会自体がないでしょう。
そもそも、HTML、CSS、JavaScriptだけを書いていたとして、プロトコルやCookieに注意を払うケースは、そう多くないでしょう。
正解は「C」です。
『詳細度』の意味は理解できていますでしょうか?
正解は「B」です。
使う頻度が低いものは、経験だけでは全く触れてこられなかったということもあるでしょう。特に英語圏向けの設定で、日本語では用いられないようなものは、経験と独学だけでは厳しい物があるかも知れません。
皆さん、如何でしたでしょうか?上記は、Lv1のHTMLとCSSの部分だけです。レスポンシブwebデザインやAPIといった分野では、さらにこうした経験と独学では中々に難しいと思われる物が多くなっていきます。
こうした資格に対する学習で得られる物は、同業務にあたる人との業務上のコミュニケーションの円滑化です。共通言語で会話ができる、ドキュメントをやりとりできるというのは、最低限必要な事と言えるでしょう。如何にページを作るスピードが速かろうとも、技術的なルールに正しく則っていないものでは、その後のメンテナンス性などに大きな影を落とすことになります。
専門家を目指すのであれば、堅実な成果物を提示できるように、体系的な知識を学習しましょう。