品質管理の専門家資格、難関「QC検定1級」の概要と論述問題への対策

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QC検定の最上位1級は、とても難しい試験です。品質活動を指導する方、品質管理部門の管理者層の方を対象とした試験で、合格率は約5%
民間資格であり、独占業務もありませんが、QC検定1級合格者は、品質管理の名実ともに専門家と広く認識され、市場価値の高い人材として確実に評価されます。
QC検定1級の概要と、2級までに登場していない論述問題について、概要をまとめました。

受験資格はありません。

QC検定は1~4級全てにおいて、受験資格は一切ありません

とはいえ、1級をいきなる受けるとなると、前提として実務経験が必要であり、また、2級のテストに余裕で合格するレベルの知識が必要と言えるでしょう。
実務経験が下地として必要としたのは、論述問題で「あなたの所属する組織の主要な製品・サービスについて・・・」という、回答者の現場のリアルを問われるため、実務経験がないと、どう答えるか自体の問題になるためです。
また、実務経験があるとしても、いきなり1級から受けようと思われる方は、まずは、2級の直近試験問題を制限時間内に解いて、合格ラインを楽々越えているか、完全にわからなかった問題は無かったかを確認しましょう。結果によっては、2級、あるいは、3級の教材から手を付けていくことをお勧めします。

試験はマークシートと論述の二部構成です。

1級は、マークシート形式の一次試験と、論述形式の二次試験で構成されています。一次試験90分、二次試験30分の試験時間です。
一次試験では、2級よりもさらに高度になった統計学の計算問題が最難関で、二次試験の論述は、知識だけではなく、人に説明できる文章構成力が必要となります。
合格ラインは、一次試験の出題分野である、手法分野と実践分野が、各50%以上の正答率で、かつ、全体で70%の正答率であることと、二次試験の70%以上の得点率を満たして合格となります。
一次試験だけ合格すると「準1級」となります。準1級は証書などは発行されず、次回1級再受験の際に一次試験が免除されるだけです。

必要な勉強時間は約300時間と言われています。

一般的にこう言われていますが、ほぼ一次試験の合格ライン到達に必要な学習時間だと考えた方がいいでしょう。
というのも、二次試験の論述で求められる知識は、一次試験に合格できるレベルであれば、二次試験でも問題が無いと言えるもので、難しいのは知識では無く、図表なども含み、上手く文章が書けるかというものです。
300時間は、QC1級合格レベルに達するための知識学習時間の目安であり、品質管理とは直接的には関係ない文章構成力は、この計算外と言っていいでしょう。
知識だけでは合格できないのが、QC検定1級の難しさです。

論述問題をどうクリアするか。

論述問題は、答え合わせ自体が相当に曖昧です。学習教材の「文章にはこういう要素を含み、このように書きましょう。」というのに従って練習問題を解くことはできますが、書いた内容が本当に正解なのかは、中々自分では判断しにくいと言えるでしょう。(自分では正しいと思って書いているわけですので。)
そのため、誰かに採点、添削してもらう事を強くお勧めします。
論述対策として通信講座やスポットでスクールの講座に行くのも良いでしょうし、同じ部署にいるであろう合格者に読んで意見をもらうなども効果的な学習になります。

二次試験の禁則事項は絶対に守りましょう。

QC検定1級の二次試験では、何を書いていようが、一発不合格になる禁則事項があります。以下の点は確実に守ってください。

  • [1]~[4]の設問から1つを選んで、答案用紙にある設問番号の記入欄に必ず記入する。
  • 複数設問を解答してはならない。
  • 答案用紙の裏面に書いたものは無効。
  • 対象の業務に関する、あなた(回答者)の立場を明確にする。

上記を満たさないと、不合格になります。

論述回答は、実体験を整理しておくこと。

論述問題に合格するための重要なポイントは、如何に明確で体系立てて説明を行うかに掛かっています。
ですので、学習段階にいおいて、実体験のストーリーを整理して、設問の回答にそのストーリーを柔軟に合わせられるように組み上げておきましょう。
以下の様なポイントで実体験を整理しておくと、実際の試験では分かりやすく記述できるかと思われます。

  • 設問に沿った改善前と試行と改善後といった全体の流れ
  • 失敗あるいは不十分であった実状(改善前の状況)
  • 実状に対する改善の考察と仮説立案
  • 仮説と再実施結果の乖離
  • 真の問題の発見と具体的な解決策
  • 問題の解消によって得られたこと
  • 再発防止(改善策定着)のために行った対処

一発で解消したのであれば「仮説と再実施結果の乖離」や「真の問題の発見と具体的な解決策」は登場しないことになりますが、このあたりが抜けていると、大した問題では無かったのでは?で片付けられてしまうので、厚みが欲しいところです。
尚、問題に当てずっぽうで(理論やデータに基づかず)仮説を立てるというのもNGですので、あくまでも仮説立案は、QC(QC検定)の知識を利用し、試行して問題を解消したというシナリオが、最もオーソドックで受け入れやすいです。

 

以上、QC検定1級の概要と、苦戦するとよく聞く論述問題に関してのTipsとなります。
皆さん、合格目指して頑張ってください!

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