プログラミング学習は、簡単に誰でもはじめることはできるのですが、そのハードルの低さ故に挫折する方が多いのも事実です。
一説では、9割の方が挫折するとも言われています。何故、そんなことになるのか、言い換えれば、挫折せずにどうやったら実務レベルまで習得できるのかについて、挫折してしまう原因を挙げてみました。
挫折する最大の理由:習得の動機が具体的ではない。
「プログラマーになりたい。」「プログラミングを身につければ収入が増える。」など、習得結果のビジョンを持ったことで学習に着手されると思いますが、これだけですと、ほぼ確実に挫折するといっても過言ではありません。
プログラミング技術は、単なるアプリを開発する手段でしかなく、職業や収入とは直接的に関係がないためです。収入増や就職であれば、プログラミング以外にもっと有利になる方法が他にもあります。
ここをしっかりと理解していないと、学習が苦痛になっていきます。
「●●というアプリを自分でも作りたい。」「××という会社に応募するためにPHPの習得が必要だ。」「今の会社でPHPを習得することで△△という職にキャリアアップできる。」など、PHPという手段が具体的に寄与する対象が明確であることが、学習を継続する上で何よりも重要な最低限のモチベーションになります。
学習の前に、動機の足固めをしっかり行いましょう。
知識のインプットだけでアウトプットがない。
PHPの学習は、中学校の英語の勉強のように、単語(プログラムの関数など)を覚え、文法(制御構造などの言語)を覚えていきます。
教材に則ってフォーム処理を作るなど実際にコードを書いてみて、知識をインプットしていくのですが、そこで書くコードは、あくまでも課題の回答でしかなく、具体的にどこかで使うようなアウトプットではありません。
これが、飽きを招く原因であり、目的を喪失する原因でもあります。
学習途中のつたない物とは言え、自分が書いたコードが、世の中に公開されるということが伴うと、それが刺激になって、もっとコードを書いてみたいと思えるようになります。
ですので、学習する際には、月数百円程度のレンタルサーバでも用意して、自分のホームページを持ち、そこで動く色々な機能を作りながら学習を進めていくようにしましょう。
PHPなどのプログラム言語は、関数を全部覚えることが学習の目的ではありません。関数なら、わからなければネットで簡単に調べられます。
学習の目的は、作ったものがちゃんと動き、自分の作品として世の中に公開されることです。この刺激を、学習中でも得ながら進めていくことをお勧めします。
尚、もし、自分のホームページを持ち、作ったプログラムを公開することが楽しいと思えないのであれば、そもそもプログラマーには向いていませんので、違う道を模索することも考えるべきです。
独学に固執してしまっている。
PHPの学習において、独学は悪い選択肢ではありませんが、『わからないことを誰かに聞くことができない縛り』をした独学であれば、確実に挫折します。
自分で全く調べないうちに誰かに聞くのはナンセンスですが、分からないと思い悩み過ぎると、あるときに自己防衛本能が働いて課題(PHPの学習)から逃げてしまいます。
1つの不明点があり、教材をいくら読んでも、ネットでいくら調べても、2時間掛けてわからないということがあった際には、もう、誰かに聞きましょう。
それこそ、インターネットの掲示板、集合知サイト、PHPのフォーラムといったネット上でもいいので、反応を恐れずに、質問をしましょう。
質問をすることで、自分が何が分からないのか整理されますし、直接回答が得られなかったとしても、誰かとやりとりすることで前に進めることもあります。
聞くことを恐れるのは、学習方法として間違っていますので、絶対に誰かに聞かない縛りの独学は避けましょう。
一旦全部把握しようと考えてしまう。
学習を書籍に頼る方にありがちですが、一旦全部読んでみてから手を動かしてみようと考えると、挫折する確率が高くなるので避けましょう。
資格学習とは異なり、プログラミング学習は実践が学習の中心です。先に書いて、後から書いた内容を理解するという順になります。
理由はシンプルで、関数は読み物ではないからです。『if ($a==1) { echo ‘aは1です’; }』これを読むことに意味はありません。
プログラミング学習は、ボトムアップです。具体的なコードの塊によって、全体像を把握する性質のものですので、この順序を間違えないようにしてください。
以上、「目標の具体化」と「大枠の学習の進め方に関する注意点」に関わる4つのポイントを挙げさせていただきました。
心構え的なものかも知れませんが、これらがしっかりと守れている方は、挫折する確率が下がりますので、是非頭に入れておいてください。