日商簿記2級検定合格のための勉強時間は、簿記の初学者ですと、450時間を要することもざらであると言われています。
一日2時間継続的に勉強したとしても、225日!かなり気合いを入れて臨む必要がありますね。
経理部門などでの実務経験者でも、業界が違えば触れることがない、工業簿記があるなど、実務経験者と言っても、偏りがあれば、結構な勉強時間を要することもあります。
日商簿記2級の合格率(過去10回)を冷静に見てみましょう。
日商簿記2級合格率 | 約20% |
尚、あくまでも平均であり、5%しか合格しない回や、40%以上合格している回もあります。
日商簿記2級の試験は、毎年3回に実施されます。遅くとも半年くらい前から勉強をはじめて、試験に臨むことになりますが、半年間、完全な独学で完走しきるのは、なかなかに根性が必要となりますね。しかも、勉強しきったとしても、合格率は2割という、狭き門です。
長丁場で難度が高い資格に挑むとなると、続けられて、かつ、自分にとって有効な学習方法を見つけられるかどうかは、かなり重要な要素になってきます。
講座・スクール・教材などを選ぶ際のポイントについて、まとめたいと思います。
試験の内容からまずは考える
日商簿記2級の試験出題範囲ですが、昨今の様々な法律改正などから、改定を繰り返しており、5年以上前の情報は役に立たないと考えても良いかもしれません。
商工会議所の検定試験ホームページの「簿記」(https://www.kentei.ne.jp/bookkeeping/exam-list)を見てみると、2級に該当する以下の様な大区分があります。
要するに、2級は、簿記に関する全領域です。ここだけ勉強しておけば良いというものはありません。
その中でも、特にここ!ということは、それこそ日商簿記2級講座やスクールといった、受験対策専門家でなければわかりませせん。
現在の改訂が頻繁に発生しているという状況に、学習対応していくためには、今は日商簿記2級講座やスクールに頼るのが無難だと思われます。
資格学習の全てを講座やスクールに学ぶということでなくとも、試験対策直前講座のような短期的で試験に特化した講座は、安全のために受けておくべきと考えます。
講座やスクールに通うとしても、それらと関係ない参考書は必要
講座やスクールは、基本的に合格を目指す効率的な学習を提供してくれるものです。そのため、講座やスクールに通うと、それ一辺倒になる方も多いのですが、頼り切りになってしまうと、全体像が把握できず、苦手分野が残ったままになってしまうケースに陥ることがあります。
『この法律と、あの法令があるので、この場合はこうなる。』といった、暗記した内容をリンクさせて正答を導くような出題に対しては、覚えた内容を頭の中で組み合わせて扱えるようになっておく必要があります。俯瞰的にため込んだ知識を顧みるために、全体像が把握できる参考書は必要と言えるでしょう。
模試は必ず受けるべき。過去問は・・・
自分の理解がどのレベルなのかを振り返り、実は頭に入っていない部分はどこなのかを客観的に見るためには、実際の問題を解いてみるのが一番です。
模試は、各スクールで、受講生以外も受けられる形で提供しているものもありますので、それらを探して積極的(ただし、一通り学習をしてから)に参加すべきです。スクール模試は、プロによる出題内容を分析予測した質の高いテストを提供してくれますので、合格可能性を知る上で重要な機会です。
また、過去問は、全ての資格においてやりこみを推奨するところですが、上述の通り、5年以上前の問題は、今と大きく出題傾向や書きぶりの違いがあるため、模試に比べて学習の有効性はやや下がるかもしれません。
通学講座を選ぶ
通学講座のメリットは、専門の講師から直接学べることであり、その場で質疑応答も可能であることです。また、同じく日商簿記2級合格を目指す生徒同士、励まし合ったり(実際に声を掛けなくとも周りに同じ志の人がいるだけでも違います)、勉強会を開催したりなど、同じコミュニティで対面していなければ得られないことに高い価値があります。
ただ、通信講座と比べて高額であり、通学する時間、授業に定期的に参加する時間を確保しなければならないといった時間的制約が大きいのがデメリットです。
総じて言えることは、何よりも、学習自体を続けられるかが最も心配だという方には、最良の選択肢だと考えます。
では、数多あるスクールの内、どの通学講座を選ぶべきかというと、以下の様な点を考慮すべきでしょう。
日商簿記2級講座は、市場として大きいため、大手を中心に説明会やイベントを実施しているところもありますので、そうしたところで自分のための検討材料を色々と得る努力は惜しまないようにしましょう。
通信講座を選ぶ
通信講座のメリットは、送られてくる教材の完成度です。非対面で学習をどう効果的に進める、継続してもらうかが、通信講座提供企業の生命線です。
また、通信講座とはいえ、オンラインやメールで質疑応答が可能であったり、教材が動画配信であったりなど、決して一方的なものではありませんので、教材あれども孤独で心が折れるといったことにならないよう、しっかりとケアしてもらえます。
また、通学講座に比べると、当然ながら費用も安いのもメリットです。
通信講座を選ぶ際には、以下の様なポイントで自分に合うかを検討してみることをお勧めします。
通学講座の検討と被っている部分もありますが、やはり重要なのは、実際の教材が自分に合いそうかを検討することです。
冒頭でも書きましたとおり、日商簿記2級合格のための学習は長丁場です。継続的にこつこつと学習することが、合格への絶対条件ですので、自分に合うと確信できる学習方法を見つけることを、最重要の最初の一歩として様々情報収集されてみてください!