簿記には、日本商工会議所が主催する日商簿記と、全国商業高等学校協会が主催する全商簿記があります。一般的に、全商簿記に比べて、日商簿記の方が1級相当難しいと言われており(日商簿記3級=全商簿記2級)、また、日商簿記は企業との繋がりが強い商工会議所が主催する資格試験ということもあり、日商簿記の方が、就職や転職に役立つという特徴があります。
「日商簿記3級」に関する概要
資格・スキルとしての分類 | 公的資格 |
活用分野 | 各企業の経理部門など |
用途 | 副業 実用 |
標準学習時間 | 50~100時間 |
需要度 | |
習得しやすさ | |
習得・活用のための費用の低さ | |
在宅との相性 | |
資格・スキル単体での収益化 | |
他の資格・スキルへの展開 |
簿記は専門的で難しいのでは・・・?数学得意ではなかったのですが、取れますか?
高校時代に商業科に通っていた方であれば、日商簿記2級レベルくらいまでは学んでおり、実際日商簿記2級を高校時代に取得する方もいらっしゃいます。そこから考えると、しっかりテキストで勉強することで、3級であれば確実に取ることができると言って良いでしょう。ただ、財務諸表という一般生活においては触れることがない枠組みの学習と考えると、独学では効率が悪く、上述の標準学習時間よりも時間を要する可能性があります。合格率は40~50%と、低くはないのですが、楽勝と言うほどではありません。
日商簿記3級でできること
日商簿記3級を修めることは、財務諸表を読むことができるということです。そのため、企業の経理実務に当然役立つ資格です。事務員としての就職を考えた場合は、必携といって良い資格でしょう。ただし、中堅企業以上の経理部門に応募するとなると、3級では実際には厳しいと言えます。
何故かと言えば、日商簿記2級は、財務諸表の数字から、企業内のお金の動き方のイメージをつかみ、経営状況を分析できるレベルの知識があることが基準になっています。そのため、事業規模が大きい企業においては、日商簿記3級では理解できないことがあるからです。
また、高校商業科で簿記2級保有者が存在する関係で、採用選考競争面で見ても不利といえます。
しかし、簿記3級レベルで得られる知識は、日々の会計処理や確定申告などに十分役立ちます。あなた自身が個人事業主になったり、起業する場合には、日商簿記3級でも力強いスキルとなるでしょう。また、零細から小企業での経理担当という感じで、非常勤で副業する場合には、十分とも言えます。実際、子育てからのカムバック時には、役に立つという声も多い資格です。
簿記分野の初学者が、基礎的な勉強を行った上で、その習熟度を確かめる意味で、日商簿記3級を受けるという立ち位置が、最も現実的です。
簿記検定は、1級から3級まであり、1級から受けるということも可能です。受験資格のハードルはありません。ただ、上述の通り、簿記は経営に直結するお金の流れを読むための資格であるため、1級までの道のりは相当に遠く、受験資格に実務経験は問われないものの、実務を通して学ぶことも現実的には必要と言えるでしょう。
簿記の初学者であれば、経理業務に向き不向きも見定める必要もありますので、確実に3級からものにしていった方が良いと思われます。