QC検定2級は、QC検定3級とは段違いの難度、出題範囲になっています。
QC検定3級に合格している、品質管理の実務経験があるからと言って、軽い試験対策だけでは、合格できません。
QC検定3級合格者ほど、軽い試験対策で合格できるのではという罠にはまりやすい(実務経験者ならば、QC検定3級は一夜漬けで合格する方もいます)ので、3級とは全く別物だと思って、気を引き締めて学習にあたる必要があります。
QC検定2級の出題範囲
QC検定2級の出題範囲は、大きく分けて「品質管理の実践」と「品質管理の手法」の2分野で構成されています。
品質管理の実践 | 品質管理の手法 |
|
|
各分野で最低50%の正答と、合計で70%の正答が合格ラインと設定されています。
難度が高い項目などのポイントは後述します。
学習をはじめる前に、まずは電卓。
学習及び試験には、電卓が必携です。何でもいいわけではなく、QC検定2級では、以下の機能がある電卓が必要となります。
尚、関数電卓は試験に持ち込み禁止ですので、関数電卓ではないことをお店の人に確認して購入しましょう。
職場では関数電卓を使っている方は、一般電卓の機能(関数電卓との違い)についても、しっかり把握しておきましょう。
いくつかの『関数電卓なら一発じゃん!』が、一般電卓ではできませんので。
手法分野の計算問題対策
実務経験者だからといって、得点できるとは全く言い切れない最たるものが、手法分野の計算問題です。
試験では、統計計算を電卓と筆記用具でしなければなりません。品質管理の現場経験があるとはいえ、実質的にはほとんどの方が未経験領域だと思います。「回帰分析」とか言葉は知っていても、コンピューター機器を使わず、手計算している実務現場はおそらくないでしょうから。
試験全体の最大の難所であり、手法分野の出題として多くを占めるのが統計の計算問題です。最重要学習範囲といって差し支えないでしょう。
ここでしっかり得点できないと、合格に達しません。
まずは、公式と解法を徹底的に頭にたたき込み、問題内容に応じてすぐにアウトプットできるようにすることが、最低限の目標です。
何をおいても、公式の暗記は完璧にしておく必要があるので、ひたすら公式を見る、読む、書くを繰り返して、徹底的にやるべきです。
また、学習においては統計の知識をしっかりと確立することが必要となります。大学生レベルの数学知識が問われるので、数学が苦手という方は、苦行と感じるかもしれません。
そういう方は、QC検定試験の学習から一度離れて、統計学入門などの教材に触れるのが良いでしょう。
覚えなければならない公式と解法は多く、項目毎に難度が異なりますから、平易なところから手を付けていき、完璧を目指さないことも、挫折しないためには考えるべき事です。
統計的方法の基礎、相関分析あたりから手を付け、検定と推定、回帰分析、実験計画法あたりは学習の最後に回すといったことが考えられます。
実践分野は、長文読解対策
実践分野は、正直なところ、手法分野(の計算問題)に比べたら、格段に簡単と言えます。覚えた知識を、問題文に設定される状況に応じて、正しく回答選択できるかというものになります。
具体的には、文章の穴埋めをする形式となっていますので、問題文を正しく読み解ければ、まず間違えません。(当然、知識は身についているという前提は必要ですが。)
つまり、実践分野の難度は、その問題文の長さ(=複雑さ)に比例しています。
長ーい文章で状況が複雑になり、回答を取り違えるということが最大の失点要因になりますので、重要な対策は「問題文に慣れること」になり、それはずばり、過去問によって行います。
出題範囲が広いとはいえ、出題パターンはあります。
QC検定2級合格のためには、結構な勉強量が必要ではありますが、それでも出題パターンはある程度決まっていますので、隅から隅まで頭にたたき込まなければならないという訳ではありません。
要は、学習の要点は確実に存在しているということであり、そもそも、試験はマークシート形式です。
過去問を何年分か通して見れば、頻出している問題や、似たような問題文と回答選択肢が、いくつも見つかると思います。
つまり、過去問の繰り返し学習という、他の資格でも王道の学習法は十分に通用します。
学習要点がまとまっている教材と、過去問の繰り返し演習によって、効率的な学習プロセスを組み上げることが可能です。
試験時間配分を考えて学習しましょう。
QC検定2級は、試験時間は90分で、約100問の出題があり、手法分野の方が時間を要するという、結構シビアな試験時間設定になっています。
そのため、学習後半では、時間配分を意識し、取捨選択の見切りも踏まえた模擬試験を十分に行っておくべきです。
難問にこだわりすぎて、試験時間が足りなくなるのはよくあります。特に、2問連続で後回しと判断する状況が起きると、不安から手が止まってしまうことが往々にしてあります。
『問題文を読んで、回答を導く方向性が思いつかないものは後回しにする』など、ルールを決める必要があるのですが、その基準は、ある程度シミュレーションを重ねて自分なりに設定を決める必要があります。そうでないと、単に後回しばかりが増えて、そもそも50%もまともに回答に取り組めていないなどの問題が発生してしまいますから。
また、後回しの基準に『10秒以上考えるようであれば、後回し』など、秒数を設定することは意味がありません。試験中に10秒をわざわざ計測する状況は現実的ではありませんので。
以上が、QC検定2級合格のための学習要点になります。皆さんの努力が、無事合格に結びつくのを心から願っております。頑張ってください!