診療報酬請求事務能力認定試験の76.7%の受験者が「実務経験なし」ということですが、合格率は、他の医療事務関連資格よりも明らかに低い、約30%。
未経験でもトライできる資格ですが、簡単ではないこの資格。これから学習しようという方は、この資格試験の学習方法について、いくつか知っておいて損のないことがあります。
未経験者でも合格できますが、教材には・・・
診療報酬請求事務能力認定試験対策の市販されている試験対策書籍の多くは、どちらかと言えば、医療事務全般の知識を持っている人向けになります。まさに、試験向け学習書といったところでしょう。
ですので、実務経験はあるので試験対策だけしたい方や、実務経験が無いだけで医療事務の知識がある方は、それらの参考書を手に取っても良いですが、これから学習をはじめようとしている方には、参考書による独学はスタートラインで挫折する可能性があります。
もっと基本の基本から学べる、通信講座やスクールを受講することをお勧めします。
専門用語だらけで、問題の解説やケースの解説はあっても、用語そのものの解説が、全て完璧にされている参考書はありませんので。
学科試験勉強は、『診療点数早見表』と、出題文の癖が鍵。
最新年の医学通信社発行『診療点数早見表』を用意することからはじめましょう。ご存じかも知れませんが、早見表と銘打っていますが、結構分厚い本です。
学科試験問題の回答とは、この本を調べることと言っても過言ではありません。
大問20問の大半で活躍しますし、実技試験でも活躍します。診療点数早見表が関連しない問題は、医事関連の法律、保険制度、施設基準や規則、医薬全般の基礎知識に関する問題になります。
尚、診療点数早見表が関連しない問題は、例年大問4問ほどです。
試験では、1つの大問に小問として4つの問題文が含まれていて、小問の各正しい組み合わせを大問の回答とする形式となっていて、問題が複雑です。
過去問学習を中心とすると、この癖のある出題文形式に混乱して投げ出してしまうという可能性があります。参考書等でも同様です。
ですので、学科試験勉強の教材や問題集は、最初は、1問1答形式になっているものを探して取り組むようにしましょう。
1問1答がしっかり正答できるようになってから、過去問など、大問形式の問題集に取り組む方が、効率的に学習を進めることできます。
実技学習は、レセプトを書きまくりましょう。
まずは、教材などを参考に、レセプトの書式、どこに何を書くのかを覚えましょう。点数欄の診療グループにどのような診療行為が入るのか、概要欄へ診療内容を書く際にどのようなルールで記載するのかを覚えるのが第一歩です。
どこに何を書くのかを、何も見ずにわかるようになるまでは、早さは求めず、丁寧にこなしましょう。
一方で、無理に悩んで時間を掛けてしまうこともお勧めしません。本番の試験ではありませんので、わからなければ教材を頼りましょう。
診療報酬点数表以外を参照せずに、ほぼ書き込めるようになったら、その時点ですでに、外来レセプトは30分以内で書けるようになっているはずです。
当然ですが、患者さんの症例は様々で、レセプトも患者さん毎に記入すべきことが全く異なりますので、診療内容の点数欄への分類と摘要欄の書き方は、様々なパターンで学習する事をお勧めします。
ここまでくれば、外来レセプトは試験でも問題なくこなせるはずです。
医科を受験されるかたは、外来レセプト以外に入院レセプトがあります。
入院レセプトは、何日も継続して医療行為が発生するため、外来レセプトと比べて、期間による加算や上限、初診料や再診料はどうなるのか、検査、画像診断など、とにかく関連するルールが膨大に多いです。
当然、実際の試験において書き込まなければならないボリュームも、もの凄い量になりますので、慣れてきたら、時間を計測してトライしましょう。入院レセプト作成の目標は、60分以内です。
参考書だけではなく、レセプト問題集も携えて、数をこなして行くことが着実に得点を上げる学習方法です。
最後に気をつけるべき事
診療点数は、2年に1回改訂があります(偶数年の4月)。そのため、偶数年の場合、当年4月以前にリリースされている教材は、古い診療点数をベースに解説や出題がされていることになります。
過去問はその典型にあたりますので、最新の医療点数に読み替えて、間違って覚えてしまわないように細心の注意を払いましょう。
特に、偶数年の7月の試験に臨もうとされている方は、改定直後の試験となるので、注意が必要です。
以上、診療報酬請求事務能力認定試験合格を目指す皆様の一助になれれば、幸いです。
合格目指して、頑張ってください!