参入障壁が低く、自分の実力を実績以外で証明しにくいWeb分野ですが、そのWeb分野のメジャー言語「PHP」にも、ちゃんと検定資格があります。
その名も、「PHP技術者認定試験」です。
「PHP技術者認定試験」概要
資格・スキルとしての分類 | 民間資格 |
活用分野 | IT |
用途 | 副業 就職・転職 実用 |
標準学習時間 | 10~20時間 ※PHPそのものの学習時間は含まず、試験対策としてのみで考えた場合。 |
需要度 | |
習得しやすさ | |
習得・活用のための費用の低さ | |
在宅との相性 | |
資格・スキル単体での収益化 | |
他の資格・スキルへの展開 |
PHPそのものに関する概要については、以下の記事をご参照ください。
聞いたことがないけど、必要なの?資格を取ると何かいいことあるの?
全ての専門的な資格に言えることですが、その資格を持っていると言うことは、客観的に実務上、同業務のスタッフと意思疎通や業務連携に支障が無いレベルの基礎的な知識があるということが証明されているということを示します。PHP技術者認定試験もそのメリットはあると言えるでしょう。
ただ、いまいち知名度が低いため、それ以上の何かを期待するのは難しいですが、逆説的に、この資格保有者はまだ少数派であるため、資格をアピールすることで権威付けにはなり、フリーランス、就職、転職あたりでは、多少の効果があると考えられます。
尚、PHP技術者認定試験は、経済産業省が定めたガイドラインITスキル標準(ITSS) の、専門分野:応用ソフトに掲載されていますので、公的に重要性は担保されており、また、いうまでもなくWeb開発におけるPHPのプレゼンスを考えたら、有益な資格であることは疑いありません。
試験対策はどうやるの?試験は難しい?
PHP技術者認定試験は、PHPのバージョン別に実施されており、最新バージョンは初級・(準上級・)上級と分かれています。いずれも7割正答で合格ですが、準上級は、上級試験で5割以上7割未満の得点だった方に与えられるものです。
初級は、実際にPHPを書ける(どこかからコピペして作れる程度は含みません)方であれば、ほぼ試験対策なしで合格できますが、準上級および上級は、熟練プログラマーでも試験対策なしには不合格になるレベルです。
上級の合格率は約10%と、『え?PHPってそんなに難しい言語だったっけ?』と驚くほどの難度です。(熟練PHPプログラマーは受験していないというオチがあるかも知れませんが・・・。)
試験の主催であるPHP技術者認定機構では、認定学習教材をいくつか挙げておりますが、いずれも初学者向けというより、少し経験がある方を対象としていますので、いきなり認定学習教材を手に取ることは、一旦考えた方が良いと思われます。
一例ですが、特別協賛会社でもあるオライリー・ジャパン社は、網羅性高く体系立った書籍を出版していることに定評があり、技術者でオライリーを知らない方はほとんどいないほどの名著出版会社なのですが、オライリーの『初めて』シリーズは、全く以て初学者の方には向いていません。(ハードボイルド過ぎるんですよね・・・。)
PHPの開発経験がある程度あり、何も見ずにプログラムが書ける方は、PHPの環境構築とセキュリティに関する部分をテキストできっちり知識整理をしておくことと、実務上おそらく使用頻度が低いコマンドなどもあると思いますので、言語リファレンスを一通り確認して、知識が甘いを補強するといった学習で上級合格までいけると思われます。
一方、開発経験があまりない方や初学者は、PHPの基礎から満遍なく学ぶことをお勧めします。
PHP技術者認定試験は取った方がいいの?
上述の通り、合格することのメリットはあります。しかし、一開発者としてはどうしても気になる、躊躇することがあります。
それは、「PHPのバージョン別」資格であるというのがくせ者で、いまいち普及しない理由はおそらくこれです。
メジャーバージョンアップがあれば、新要素や廃止要素へ対応するために、資格としても別のものにするのは当然で、それ自体は間違っていません。
しかしながら、皆さんご存じの通り、Web系言語は、バージョンアップが早いです。メジャーバージョンアップがあったら、試験をもう一回しないといけなくなるわけです。
例えば最近ライフサイクルが終了したPHP7でいえば、7.0のリリースが2015/12/03、最終バージョンの公式サポート終了が7.4の2019/11/28です。4年弱ですよ。しかも、結構ぎりぎりでサポート終了を公表し、アクティブサポートとセキュリティサポートの終了が同日ですから。
ここまで厳密に考える必要も無いといえばないのですが、一度資格を取得すると、やはり、新バージョンの資格を取らないとという心境になりますから、試験に追われることになるかもしれないということを、頭の片隅に入れておくべきでしょう。
個人的見解としては
というのが穏当かなと思います。