宅地建物取引士(宅建士)の学習方法と、講座・スクール・教材を選ぶポイント

資格学習イメージ 不動産

宅地建物取引士(宅建士)資格取得のための勉強時間は、法律・不動産関連の初学者ですと、500時間を要することもざらであると言われています。
一日2時間継続的に勉強したとしても、250日!かなり気合いを入れて臨む必要がありますね。
ちなみに、宅建士の合格率を冷静に見てみましょう。

宅地建物取引士 合格率約15%~18%

宅建士の試験は、毎年1回、10月に実施されます。遅くとも半年くらい前から勉強をはじめて、試験に臨むことになりますが、半年間、完全な独学で完走しきるのは、なかなかに根性が必要となりますね。しかも、勉強しきったとしても、合格率は2割を切っているという、狭き門です。

長丁場で難度が高い資格に挑むとなると、続けられて、かつ、自分にとって有効な学習方法を見つけられるかどうかは、かなり重要な要素になってきます。

講座・スクール・教材などを選ぶ際のポイントについて、まとめたいと思います。

試験の内容からまずは考える

宅建士の試験出題範囲は、宅地建物の取引に関わる法律という、広範にわたる学習範囲になりますが、実際の試験は、全50問で、平均的に7割正解(35問正答)が合格ラインですので、出題が多いところをより重視した学習が効果的と考えます。

出題の内訳は、以下の通りです。

  • 宅建業法 20問
  • 民法(権利関係) 14問
  • 法令上の制限 8問
  • 税・その他 8問

以上の事から、宅建業法>民法>法令上の制限>税・その他の順に、学習の厚みを考えて進めると効率的と言えるでしょう。
余談ですが、税・その他は、土地建物に関する統計データなども出題されてくるため、単純な暗記一辺倒では得点しにくいと言われている出題分野です。

講座やスクールに通うとしても、それらと関係ない参考書は必要

講座やスクールは、基本的に合格を目指す効率的な学習を提供してくれるものです。そのため、講座やスクールに通うと、それ一辺倒になる方も多いのですが、頼り切りになってしまうと、全体像が把握できず、苦手分野が残ったままになってしまうケースに陥ることがあります。

『この法律と、あの法令があるので、この場合はこうなる。』といった、暗記した内容をリンクさせて正答を導くような出題に対しては、覚えた内容を頭の中で組み合わせて扱えるようになっておく必要があります。俯瞰的にため込んだ知識を顧みるために、全体像が把握できる参考書は必要と言えるでしょう。

過去問や模試は必ず受けるべき

自分の理解がどのレベルなのかを振り返り、実は頭に入っていない部分はどこなのかを客観的に見るためには、実際の問題を解いてみるのが一番です。

模試は、各スクールで、受講生以外も受けられる形で提供しているものもありますので、それらを探して積極的(ただし、一通り学習をしてから)に参加すべきです。スクール模試は、プロによる出題内容を分析予測した質の高いテストを提供してくれますので、合格可能性を知る上で重要な機会です。

また、過去問は、実際に見てみると、実は頻出している問題(問い方は違うものの)があったり、力点をどこに置くべきかを発見するツールにもなります。

通学講座を選ぶ

通学講座のメリットは、専門の講師から直接学べることであり、その場で質疑応答も可能であることです。また、同じく宅建士を目指す生徒同士、励まし合ったり(実際に声を掛けなくとも周りに同じ志の人がいるだけでも違います)、勉強会を開催したりなど、同じコミュニティで対面していなければ得られないことに高い価値があります

ただ、通信講座と比べて高額であり、通学する時間、授業に定期的に参加する時間を確保しなければならないといった時間的制約が大きいのがデメリットです。

総じて言えることは、何よりも、学習自体を続けられるかが最も心配だという方には、最良の選択肢だと考えます。

では、数多あるスクールの内、どの通学講座を選ぶべきかというと、以下の様な点を考慮すべきでしょう。

  • 職場と自宅の通勤経路上(できれば通勤経路の始点または終点となる駅)にあり、かつ、終業後に合った時間に授業がある。
  • (検討時点で)訪問して、雰囲気を確認したり、学習方法を聞いたりすることができる。
  • 昨年の受講者数、合格率、合格者数、スクールの開校年数など、何かしら自分が納得できる実績を教えてもらう。
  • 自分の性格や、今までの学習における弱いところを話して、自分に向いていると言える部分を説明してもらい、それが納得できる内容であるかを検討する。

宅建士講座は、市場として大きいため、大手を中心に説明会やイベントを実施しているところも多くありますので、そうしたところで自分のための検討材料を色々と得る努力は惜しまないようにしましょう。

通信講座を選ぶ

通信講座のメリットは、送られてくる教材の完成度です。非対面で学習をどう効果的に進める、継続してもらうかが、通信講座提供企業の生命線です。

また、通信講座とはいえ、オンラインやメールで質疑応答が可能であったり、教材が動画配信であったりなど、決して一方的なものではありませんので、教材あれども孤独で心が折れるといったことにならないよう、しっかりとケアしてもらえます。

また、通学講座に比べると、当然ながら費用も安いのもメリットです。

通信講座を選ぶ際には、以下の様なポイントで自分に合うかを検討してみることをお勧めします。

  • 過去の教材、サンプル教材を入手し、自分に合いそうかを実際見る。
  • 質問への対応はどのようにフォローしてもらえるのかを事前に確認する。
  • 昨年の受講者数、合格率、合格者数、講座実施年数など、何かしら自分が納得できる実績を教えてもらう。
  • 自分の性格や、今までの学習における弱いところを話して、自分に向いていると言える部分を説明してもらい、それが納得できる内容であるかを検討する。

通学講座の検討と被っている部分もありますが、やはり重要なのは、実際の教材が自分に合いそうかを検討することです。

 

冒頭でも書きましたとおり、宅建士の学習は長丁場です。継続的にこつこつと学習することが、合格への絶対条件ですので、自分に合うと確信できる学習方法を見つけることを、最重要の最初の一歩として様々情報収集されてみてください!

タイトルとURLをコピーしました