宅地建物取引士(宅建士)試験に臨むために、学習教材を選ぶコツ。

学習素材の山イメージ 不動産

宅建士は毎回約20万人が受験する人気資格であるため、試験対策の学習教材は山ほどあります。
その中から、自分に合った、効率的で続けられる教材をどうやって見つければ良いのかということについて、いくつかの視点や方法論を解説します。

書籍や講座をどうやって選べばいいのか?

様々な情報を参考にし、教材を手に取るところから学習が始まりますが、その参考にする情報そのものが『あなたにとっての確かなものか』ということを、慎重に捉える必要があります。

まず、よくある体験談ですが、成功あるいは失敗体験談からお勧めされる教材や講座は、あまり意味はありません
理由はいくつもありますが、体験談を披露されている方は、知識レベル、頭の良さ、理解しやすいと感じるやり方など、様々な点において、あなたとは異なるからです。
個人の体験は、具体的で共感しやすいのは確かですが、単なる客観的な意見の一つである読み物として捉え、心理的に距離を取りましょう。

また、売れ筋ランキングなども冷静に見た方がいいでしょう。
一度でも資格勉強をした方は思い当たるところがあるかもしれませんが、「定番」と言われるものは、全体を網羅していてオーソドックスで平均的なものであり、必ずしも、それ一冊や、それ1つの対策だけで良かったと思えるわけではないからです。
後から考えたら、もっと分かりやすい書籍や講座があったというケースは往々にしてあります。

一方、合格率などの統計データによって教材や講座を選ぶことは賢明と言えるでしょう。個人的な偏り(バイアス)が限りなく薄くなるため、単純に合格率が高い方が優位であると比較できるからです。

そして、書籍や講座を選ぶのに最も重要なことは、実際に教材の中身を見てみることです。
書いてある内容を見て、『読んでいて苦痛ではないか。』『問題集から該当部分のテキストが参照が可能なように索引がついているなど、反復学習がしやすい構成であるか。』という二点は、最低限クリアしている物を選ぶと良いでしょう。

常に最新版の教材を選ぶ・・・だけでは十分ではない

最新版の教材で学ぶことは絶対条件です。理由は単純で、最新の法改正に対応したものでないと、全く意味が無いどころか、むしろマイナスであるためです。そうした意味で、過去問学習をする際にも注意が必要です。
実際に、法改正が大きかった年は、そこに関する出題も多くなりますし、合格率も下がる傾向にあります。

さらに、あなたが最新版の教材を手に取ったとしても、それで満足してはいけません
なぜならば、書籍や教材は、当然ながら世に出るまでの間に、ある程度時間が経っているわけで、発売(発行)後、法改正に対する未対応部分の改訂、そもそも記載内容に誤りがある部分の訂正などがあるからです。
販売元や発行元のサイトなどを定期的に確認し、改訂・訂正が出ていないかに注意を払いましょう。

学習教材を一つに絞るのは効率的ではない。

資格勉強は、極論すれば、公式サイトの試験範囲を把握し、インターネット上にある過去問と法律文書のみを使用すれば、ゼロ円でできます。
ですが、これは万人向けかと言えば、当然違います。

そこで、次にできるだけ安くということを考えるかもしれませんが、試験は年に1回しかありませんから、ケチって不合格になり、もう一年勉強する時間的損失リスクは無視できないわけで、正確に言えば、合格できる範囲内でできるだけ安くという考え方に至りますよね。
しかし、この教材で勉強すれば合格できるなんて、誰も断言できません。

ただ、一つ確実に言えることは、五感の内、より多くを刺激される方が、記憶として定着しやすいということです、これは皆さん、何となく納得できるかと思います。

この考えに基づくと、1種類の学習教材だけでは、刺激される五感が限られる、つまり、学習効率が低いと言うことができます。
具体的には、テキストを読むことは、「視覚」を刺激されますが、動画などの映像を見る際には「視覚と聴覚」が刺激されます。この二つで言えば、テキストよりも動画の方が暗記効率は高いと一般的には言えるでしょう。
もちろん、写本する(書く)という「視覚と触覚」を刺激することも必要ですから、総合的に言えば、「テキストを読み」「動画を見て」「書き写して」学ぶということが揃った学習法を採ることが、効率的と言えるのではないでしょうか。

総論として、五感をより多く刺激できるよう複数の手法で構築される総合的な学習方法になるよう、学習教材を選択すべきと言えます。

教材を選ぶ前に、過去問チャレンジも有効

自分の実力を把握することで、どんな学習教材が必要なのかを知るというアプローチも有効な手段の一つです。

あなたが初学者だったとしても、まず、実際の問題を読んでみて、そもそも何を問われているのか分からないと感じるのか、ある程度問われていることがわかるのかを知ることで、どのレベルまで咀嚼して解説してくれている教材にすべきなのかを認識できます。
加えて、過去問に触れてみたことで、実際の問題で印象に残ったものが記憶されるでしょうから、そこに対してわかりやすい解説をしている教材を探すことができるようになります。

一方、あなたが初学者でなければ、直接的に弱点が浮き彫りになりますので、そこに厚みのある教材を選ぶ手がかりになります。

 

いかがでしょうか。宅建士を志す皆さんの一助になれば幸いです。
教材の選び方については、以下の記事でもポイントを挙げておりますので、こちらもご参照ください。

 

合格目指して、頑張ってください!

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