宅地建物取引士:軽く見られがちですが、相当優秀な資格。経験ゼロで不動産業を副業というのも全然アリ!

宅地建物 不動産

いわゆる「宅建」です。その名の通り、不動産業を営む上で、必要となる法律、契約、制限事項への理解を問われる資格です。不動産取引法務の専門家ですね。
古くから不動産こそが資産の中核を成す国、日本。不動産業界に勤めていないとあまり気を払わない資格かもしれませんが、持っていて損はない資格です。

「宅地建物取引主任者」に関する概要

資格・スキルとしての分類 国家資格(試験後要登録)
活用分野 不動産
用途 副業
独立開業
就職・転職
実用
標準学習時間 100~500時間(業界経験者~全くの未経験者)
需要度 4.0
習得しやすさ 2.5
習得・活用のための費用の低さ 3.0
在宅との相性 2.5
資格・スキル単体での収益化 4.5
他の資格・スキルへの展開 4.5

宅建は、受験と登録の2段階。受験は誰でもできます。

宅建の受験には年齢制限がありません。実際、合格者も12歳から79歳までおりますので、ハードルが高いというわけではありません。外国人も受験可能です。
定年退職後の独立開業としても十分アリ、そして、実際にある選択肢です。
強いて言えば一点だけ、過去に不正受験をした方は最長3年は再受験不可という制約はあります。
尚、誤解されがちですが、受験および合格においては、実務経験の有無も問われません。実務経験の有無が問われるのは、合格後の資格登録の際です。(とはいえ、資格登録をしないと、宅建士とは名乗れないので、登録までワンセットです。)

合格後の資格登録、実は実務経験が無くても可能。

その宅建士となるための資格登録ですが、『実務経験がないと駄目なんでしょ?』と言われがちですが、実は違います。資格登録に必要なのは、以下のいずれかです。

  • 宅地建物取引業の実務(一般管理部門は除く。)の経験が2年以上ある者
  • 国土交通大臣の登録を受けた宅地又は建物の取引に関する実務についての講習(以下「登録実務 講習」という。)を修了した者
  • 国、地方公共団体又はこれらの出資により設立された法人において宅地又は建物の取得又は処分の業務に従事した期間が通算して2年以上である者

そう。2番目の「登録実務講習」を受講して、修了試験に合格すれば、実務経験が無くとも、宅建士になれます
講習も、DVDとテキストによる通信講座の後、1日or2日間(全12時間)のスクーリングを経て、修了試験となります。
その修了試験の合格率は9割と、試験合格者で講習をしっかり受けていれば、まず修了できる内容なのです。

本当に、副業で不動産屋さんできるの?

さて、この記事のタイトルにもある、「副業で不動産屋」なのですが、宅建の知識はまさに不動産取引に必要な知識ではあるものの、実は、副業で不動産投資、不動産賃貸業(大家さん)をはじめたいと思った際には、結論から言えば、宅建をはじめとした何らかの資格や届け出は必要ありません
年に1回不動産売買をする程度、手持ちの物件数件程度の扱いであれば、不動産業を営むものに該当しません。ただし、物件数や売買頻度の線引きはどこかというと、それはグレー(法律の専門家に聞くべきこと)なので、ご注意ください。

『副業で不動産屋ならその基準に引っかかるほど物件扱わないから、宅建士不要ですよね?であれば、この資格を解説した意味は?』と思われるでしょう。
法律上はその通りですが、実情が違うのです。

宅建士でも何でもないあなたに、物件売買、誰が任せるのでしょうか?

あなたが、ご自身で持っている物件を運用するだけであれば、このようなことは問題になりませんが、副業、独立開業で不動産を扱おうと考えた方の多くは、まずは、他人の物件を扱うのではないでしょうか?それこそ、仲介とかで。
となると、物件どこから調達されるのでしょうか?賃貸・売買サイトに載っている不動産は、もれなく、どこかの不動産業者が入っている物件です。そこに相乗りさせてもらうことなんて、不動産業者でなければ話さえ聞いてもらえませんよね?

つまり、不動産に関わるのであれば、やはり必携の資格ということになります。

また、宅建士を持っていれば、副業、独立開業がうまくいくというわけでもありません
不動産業界は、信用によって成り立っている世界です。一件も成約実績が無い不動産業者には、案件が回ってくることはありません。
ですので、立ち上げの時期は、弾がなくて展開が想像以上に重くなりがちですので、受験と共に、物件を融通してくれる協力者にあたりを付けておくことも重要です。

仲介業務以外にも様々な副業が考えられます。おすすめの副業について知りたい方は、以下もご参照ください。

宅建士と相性が良い周辺資格

当然ながら、不動産関連の各種資格との相性が良いです。

他にも、不動産投資側を考えるのであれば、ハードルは高いですが、税理士なども考えられますね。
宅建士は、何か不動産屋が持っている免許みたいに思われているかもしれませんが、実際は法務スペシャリストなわけですから、結構、書士や税理士など法律関連への展開は視野に入ります。
特に、これから先20年間ピークを迎えるであろう、相続や事業承継においては、確実に不動産が含まれてくるので、この手の引き合いも視野に入れて、今からでも周辺資格を取得する準備をしておいて損はありません。

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