ファイナンシャル・プランニング技能士(FP)を目指すなら、専門性の違いによる受検団体の違いを知っておこう。

ファイナンシャル・プランニング イメージ 金融

国家資格のファイナンシャル・プランニング技能士を名乗るためには、FP技能検定に合格する必要がありますが、実はこの検定、2つの団体で受検ができるということ、ご存じでしたでしょうか。

FP技能検定、複数実施している団体があるみたいだけど?

FP技能検定は、「日本FP協会」と「金融財政事情研究会(通称:きんざい)」の2団体で実施されています。どちらで合格しても、全く同じ国家資格であるファイナンシャル・プランニング技能士ですので、どちらが上だとかはありません。

では、何故2つあるのかといえば、ファイナンシャル・プランナーは、業務範囲が広いので、合格した後に、実務として使う分野、専門性は各自異なることになります。例えば、税理士事務所と保険会社では、主に使う金融知識が異なりますよね。

FP技能検定3級、2級は、学科試験と実技試験の2つで構成されています。
この実技試験の内容が、「日本FP協会」と「きんざい」で異なっています。

日本FP協会 資産設計提案業務(3級・2級)
きんざい 個人資産相談業務(3級・2級)
保険顧客資産相談業務(3級)
生保顧客資産相談業務(2級)
損保顧客資産相談業務(2級)
中小事業主資産相談業務(2級)

特徴的に異なるのは、きんざいは細分化された業務分野を持っていることです。もともと、きんざいは金融市場、金融機関、金融財政政策に関する健全な発展、研究、学術振興を目的とした一般社団法人であるため、ファイナンシャル・プランナーのためだけの機関というわけではありません。そうした背景から、保険会社、銀行などの実務に即した実技試験を設けています。
一方、日本FP協会はその名の通り、ファイナンシャル・プランナーのための一般社団法人であるため、広くあまねく業務内容をカバーする実技試験になっています。

どちらを受ければいいの?

FP技能検定3級、2級の学科試験は、日本FP協会ときんざいで試験内容(問題)は同じです。試験内容に違いがあるのは、上述の通り実技試験です。
合格率だけで見れば、明らかに日本FP協会の方が高いので、単純比較で言えば、日本FP協会で受検すべきだと言えるかもしれません。

※受検者の質によって合格率は当然変わりますので、単純な合格率だけで受かりやすいとは、必ずしも言えませんので、ご注意を。

しかし、ファイナンシャル・プランナー技能士になったならば、その資格を活かして仕事をすることが当然の目的ですので、例えば保険会社や銀行といった金融機関に勤めている方は、各業務に即した実技試験に合格しないと意味が無いでしょう。
実際に、きんざいを受検する方の多くは、金融機関に勤めている方です。

あなたが仕事をしている業界が、きんざいの実技試験分野と関わりがあるのであれば、きんざいで受けた方が、受かった後のリターンが大きいと思われます。
実際、受験団体が資格手当の条件になっている会社もあります。

 

FP技能検定は、複数団体が異なる試験内容を設けている珍しい国家資格ですが、それは、ファイナンシャル・プランナーの業務分野が広いことの証左でもあります。

ファイナンシャル・プランニング技能士は、専門性が出せることではじめて強力な価値を生む資格ですので、合格したあと、どう活かすのかもイメージして、学習に取り組むことをお勧めします。

この点については、以下もご参照ください。

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