宅建試験は、「権利関係」「法令上の制限」「宅建業法」「税・その他(免除科目5問含む)」の4分野に出題範囲が分かれており、全50問から構成されています。
合格ラインは固定されておらず、過去の結果から、全50問中、33~37問正答(概ね7割正答)が合格ラインとなっています。
試験出題範囲のうち、「税・その他」分野について、出題傾向と学習について検討すべき観点をまとめてみました。
「税・その他」分野の頻出項目はこれです。
「税・その他」分野からは、3問+免除科目5問(”その他”がこの免除科目に含まれています)の計8問が出題されます。
例年の出題傾向ですが、税制からは2問出題され、国税(「所得税(譲渡所得)」「印紙税」「登録免許税」「贈与税」)から1問と、地方税(「不動産取得税」「固定資産税」)から1問が出題されています。
その他からは、「地価公示法」と「不動産鑑定評価基準」のいずれかから、1問が出題されていますが、この「地価公示法」と「不動産鑑定評価基準」が厄介で、過去問が役に立たない(初めて出る)出題がされることや、難題が出題されることが多くあります。
そして、免除科目ですが、「土地」、「建物」、「住宅金融支援機構法」、「不当景品類及び不当表示防止法」、「統計」の5つの項目から、各1問ずつが出題されます。
学習範囲と出題数のバランスが悪い?
「税・その他」分野の学習すべき範囲は広く、税金に関する細かな計算式、法律、直近の統計データなど、細かくて覚えることが多い分野です。
これに対して、出題数が8問と他分野に比べて大きく少ないです。さらに、もし、登録講習(宅地建物取引業に従事している方のみ受講可)修了者であるならば、5問は免除されるので、3問しか出題されないことになります。
もしあなたが、学習の優先樹陰を考えなければならないのであれば、頻出問題だけは確実に正答できるよう、過去問だけ暗記する割り切ったとしても、8問中5点獲得程度は期待できます。
税・その他分野だけで言えば、過去問だけでも全体の合格ライン7割正答には届くことが一応期待できますので、完全なる最低限の試験対策という割り切った学習法もありでしょう。
しかし、8問中7点獲得までは必ずしも難しくありません。
上記と背反するようなことを言いますが、統計問題は山掛けに近いので除くとしても、過去問学習だけで5点に、テキスト等での学習、各通信講座やスクールが出す予想問題の学習を用いて、2点を加点し、8問中7点獲得までは十分に狙うことができる程度の難度です。
範囲は広いですが、全く何を問われているか分からないもの、重箱の隅をつつくようなもの、複雑な条件設定で正答判断が難しいものといった、いわゆる難題が出題される可能性は高くありません。税・その他については、上位と言える国家資格(不動産鑑定士や税理士など)が他にありますので、あくまでも問われる内容は基礎的なものです。
脊髄反射的に、この分野の学習を捨てる前に、他の分野で確実に7割以上の正答が取れるのかどうかを、よく考えた方が良いでしょう。
個人的な意見ですが、「権利関係」14問で7割正答(10問正答)できるとして、そこに1点上積み(11問正答)するための学習労力を考えたら、「税・その他」で1点上積みする方が易しい気がいたします。
以上、宅地建物取引士(宅建士)試験科目「税・その他」勉強のコツです。ご参考までに。